くび・かおとは
くび(首)は、いわゆる頸部のことです。同部位に痛み、あるいは腫れや腫瘍、しこりがあるという場合も耳鼻咽喉科領域に含まれます。この場合、主にリンパ節や唾液腺などでみられる痛みや腫れなどが対象となります。頸部に異常を感じられる場合も遠慮なく、当院をご受診下さい。以下で挙げる症状のある方は、一度当院をご受診下さい。
- 首もしくは首の周囲にしこりがみられる
- 首のリンパ節が腫れている気がする
- 首に痛みがみられる
- 喉ぼとけ付近に腫れがある など
首でよくみられる病気
甲状腺機能亢進症(主にバセドウ病)
甲状腺で過剰に分泌されている状態にあると甲状腺機能亢進症と診断されます。主な症状は、甲状腺が腫れる、眼球突出、動悸、異常発汗、手などが震えるということもあります。
治療
主に抗甲状腺薬の内服による薬物療法を用いて甲状腺ホルモンの分泌を抑制します。
甲状腺機能低下症(主に橋本病)
甲状腺機能低下症と言いましても種類はいくつかありますが、その中でも患者数が多いとされているのが橋本病(慢性甲状腺炎)です。この場合、主に免疫異常によって甲状腺が腫れるようになります。さらに甲状腺の細胞が破壊されることで、甲状腺の機能が低下するようになります。同疾患は中年女性によくみられるのですが、女性の患者様が多いというのも特徴です。
主な症状は、甲状腺の腫れ、易疲労性、身体のむくみ、寒がり、体重増加、便秘、食欲不振、月経異常、皮膚の乾燥、徐脈(脈がゆっくり打たれる)などです。
治療
橋本病と診断されても症状が軽度であれば経過観察です。甲状腺機能低下による症状が現れているようであれば、甲状腺ホルモンの内服による薬物療法となります。
甲状腺腫
甲状腺に発症する腫瘍になりますが、大きく良性と悪性に分類されます。
前者(良性)の代表的なものとしては、単純性甲状腺腫、腺腫様甲状腺腫、プランマー病などがあります。この場合、甲状腺に腫れやしこりを感じるほか、甲状腺機能亢進症の症状などがみられます。
一方の後者は、甲状腺がんや悪性リンパ腫などがあります。甲状腺がんは、乳頭がん・濾胞がん・低分化がん・髄様がん・未分化がんに分類されますが、大半の患者様は分化がんの中の乳頭癌です。初期は無症状なことが多く、大きくなると首にしこりを感じるようになります。また病状が進行すると、物を飲み込みにくい、声の枯れ(嗄声)などもみられます。無自覚なこともあるので、頸部超音波検査によって偶然発見されるというケースも少なくないです。また悪性リンパ腫は、リンパ節が腫れますが痛みが出ないこともよくあります。そのほか、発熱、体重減少、寝汗などの症状も出ます。
治療
当院では2024年6月より、頸部エコーも導入したため、必要時に施行させていただき、腫瘍が疑われる場合は、早急に連携施設にご紹介させていただきます。
唾液腺炎
唾液腺は、唾液を作る器官の総称となります。
病原体の感染による発症は急性の唾液腺炎で、ウイルス性であればおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)、細菌性であれば化膿性唾液腺炎が挙げられます。慢性の唾液腺炎は、自己免疫反応によって引き起こされることが多いです。この場合、シェーグレン症候群やIgG4
関連涙腺・唾液腺炎(ミクリッツ病)があります。その他にも、反復性耳下腺炎、唾石症、唾液腺腫瘍などによって発症することもあります。
耳下腺や顎下腺など炎症のある部位での痛み、発熱、寒気、唾液の減少、全身の倦怠感、口腔内乾燥などの症状が出現します。
治療
細菌感染が原因であれば抗菌薬を投与します。ウイルスの場合は、特効薬はありません。対症療法として、解熱鎮痛薬を使用し、安静にしていただくことになります。またシェーングレン症候群であれば、対症療法が基本の治療になります。必要に応じて、免疫抑制薬やステロイドの内服薬を用いていくこともあります。
唾液腺腫瘍
唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)に発生する腫瘍のことをいいます。
主な症状ですが、良性腫瘍では自覚症状はなく、痛みのない腫瘤がみられます。良性腫瘍の種類としては、多形腺腫が最も多く、次に多いのがワルチン腺腫になります。なお多形腺腫については、悪性に転化することもあります。一方の悪性腫瘍では、浸潤の程度にもよりますが、疼痛や神経症状(顔面神経の麻痺、舌のしびれ、舌運動の麻痺
等)がみられるようになります。
治療
大きさにもよりますが、良性腫瘍でも悪性腫瘍でも、基本は手術療法となります。経過観察になる場合もありますので、心配な場合は一度当院にご相談ください。
